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具体例での説明4 完全グラフへの分解


次のグラフの彩色には4色が必要十分です。

0 1 2 3 4 5 6

頂点0と3を結ぶ辺 e0,3 がありませんので、e0,3 を付け足したグラフと、¬e0,3 を付け足したグラフをつくります。

0 1 2 3 4 5 6 0 1 2 3 4 5 6

彩色に4色を必要という性質を維持しつつ、無くてもよい頂点と辺を取り除きます。ただし、e0,3 または ¬e0,3 を残さなければなりません。(この方法が複数ある場合は、そのうちの任意の1つでかまいません。)

0 1 2 3 5 6 0 1 2 3 4

グラフを論理式とみなす(グラフに含まれる辺の論理和とします。点線の辺は負の辺とします)と次の恒真式になります。

0 1 2 3 5 6 0 1 2 3 4 0 1 2 3 4 5 6

同様に分解を進めます。

0 1 3 6 0 1 2 0 2 3 5 0 1 2 3 5 6

0 1 3 0 1 2 4 0 2 3 0 1 2 3 4

結果、次の6つの完全グラフに分解することが出来ました。3つの4点の完全グラフと、3つの3点の完全グラフです。3点の完全グラフは2つの辺が負の辺になっています。

0 1 3 0 1 2 4 0 2 3 0 1 3 6 0 1 2 0 2 3 5

逆に、こうした4点の完全グラフと3点の完全グラフをすべて用意しておけば、すべての3色で彩色不可能なグラフがブール代数の計算で導くことができるのではないか、という考えになってきます。

“負の辺”の導入と、グラフを辺の論理和とみなすことで、ブール代数で扱うことができます。ブール代数の知識や、普通の代数からのアナロジーで研究することができます。


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